おもちゃから秘密の小部屋まで!一人一人のペースで絵本に親しめる、スウェーデンの図書館(1)の続きです。
絵本の世界と現実を、行ったり来たりできる場所
くつろげるソファや椅子がある「子ども部屋」の片隅にあったのは、これ!
橋と舞台です。
この橋、絵本「3匹の○○の○ら○ら○ん」に出てくる橋!なんです。北欧にまつわるあのお話、わかりますでしょうか・・・?(ヒントは、壁にかけられている絵)
正解は
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「3匹のやぎのがらがらどん」の橋!です。
ちょっと間違った使い方をしている人が映り込んでいますが、橋の奥右手には、絵本の中で、がらがらどんが橋を渡ろうとしているシーンが描かれています。
橋の左手の壁にあるボタンを押すと、さらさら・・・と川音が聞こえてきます。
そして、ヤギの鳴く声が流れてきたかと思うと、突如野太い声が流れてきます。
「俺の橋を渡るのは誰だ?!つかまえて、食べてやる!!」
絵本の中に登場するトロル(北欧の伝承に登場する妖精。この絵本では不気味な怪物として描かれている)の声です。
この声に合わせて、子どもたちは橋を渡り、おはなしの世界を再現して楽しむのです。
ちょうどおばあちゃん&3人の孫娘が遊びに来ていて、3人でがらがらどんを演じて楽しんでいました。(なぜか4人目がいますが・・・)
おはなしの想像力をかきたてるコスチュームやぬいぐるみも
橋のすぐ近くには、コスチュームやぬいぐるみなどの入った衣装ケースが用意されていて(↓)、おはなしをよりリアルに再現したり、盛り上げたりすることができます。
先ほどの3人の女の子たちは、衣装ケースから犬のような人形を取り出して、橋の下に隠してから渡っていました。トロルに見立てているようです。
衣装ケースのすぐ横には、姿見が。コスチュームに着替えてから、こちらで装いのチェックをしている子もいました。なんとも子どものココロをくすぐるしかけです。
コスチュームのラインナップは豊富で、お姫様のドレスからマント、宇宙人や犬の着ぐるみまでありました。様々なおはなしを作って遊べそうです。
図書館の子ども部屋は、「静かに絵本を読む場所」ではないようす
おはなしのシーンを再現する音声に、子どもたちが自由におはなしを演じられる舞台。
図書館の子ども部屋では、常に誰かが話している声や、絵本を読んでいる声、演じている声が聞こえていました。声を出すことを前提にしたつくりになっているようです。
ふと「子ども部屋」の入り口に書かれている「お約束」を見ると、「大声で叫ぶことと走ること」はダメとありましたが、「話をすること」がダメとの記載はありません。
”ここでやっていいこと
読むことと遊ぶこと ○
大声で叫ぶことと走ること ×
本をひろうこと ○”
図書館の「子ども部屋」は、「静かに絵本を読む場所」ではなく、五感を駆使して絵本の世界を感じ、表現することのできる場所、となっているようです。
でも、それだけではありません。この「子ども部屋」の隣には、「隠し部屋」があったのです・・・!
一人一人のおもちゃから秘密の小部屋まで!一人一人のペースで絵本に親しめる、スウェーデンの図書館(3)へ続く
※写真は許可を撮って撮影しています。
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