プログラムレポート:対話でふかめるデンマーク教育視察プログラム Day2 – 森のようちえん こども島ボンサイ(後編)

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2023年8月21日(月)~25日(金)、デンマークで開催した「対話でふかめるデンマーク教育視察プログラム」。現地でのプログラムの様子を、参加者レポートとともにお届けします。

※Day1 – 森のようちえん こども島ボンサイ(前編)はこちら

※Day1 – 森のようちえん こども島ボンサイ(後編)はこちら

※Day2 – 森のようちえん こども島ボンサイ(前編)はこちら

 

 


【ワークショップ】自分や自然と向き合う時間

この日のワークショップは「自然の中でのマインドフルネス」。

メンターとしてもプログラムをサポートしてくれているロッタ先生と、ソフィア先生が実施してくださいました。

 

ワークショップの場所に向かう途中、ひとりずつ気になった自然のものを拾っていきます。

今回は行いませんでしたが、それぞれが拾ったものを持ち寄って、ワークショップの時に飾っておくのだそうです。

 

森の中に到着すると、シートのうえに羊毛ラグがひかれた空間が。

その上に円座になって、実際にボンサイの子どもたちも体験しているというマインドフルネスワークショップのスタートです。

 

まずは、名前と好きなものをひとりずつ話していきます。

そうすることで、ここにいるみんなが参加しているという一体感が生まれるのだそう。

 

まずはひとつめのアクティビティとして、Kraft Dyrenes Orakelkort(スピリットオラクルアニマル)というカードを使ったワークを行いました。

円の中心にカードを並べて、ひとり1枚ずつ引いていきます。

 

カードには自分が必要としているメッセージが書かれているそうなのですが、今回準備いただいたカードはすべてデンマーク語。

翻訳アプリを使ったり、ロッタ先生に意味の解説をしてもらったり、参加者の皆さんは自分に届けられたメッセージがどんな内容なのか興味津々。

カードは直感的に選ぶのですが、ご自身の状況や抱えていたものにぴったりのアドバイスを引き当てた方も数名。驚きとともに内容をかみしめている姿が印象的でした。

 

ヨガをして体を動かした後、ラベンダーオイルの香りを吸い込みながら深呼吸。

深呼吸をするときには、伸縮ボールなどを使って子どもたちがビジュアルで何をしているかをイメージできるようにするための工夫もされているそうです。

 

次に行ったのは鳥の人形を使って、どんな鳥のさえずりかを当てるゲーム。

ゲームの最中、本物の鳥が鳴いて返事を返してくれることがあるのも、森の中ならでは。

 

最後はラグの上に横になって、目を閉じながらお話を聴きます。

お話の最初と最後に鳴らすインドの楽器の音色が、さらに自分に集中させてくれます。

午後の森でのマインドフルネスもとても良かったです。昨日のように、ただ森の中を散歩するだけでもずいぶんリフレッシュすることができましたが、今日のマインドフルネスではさらにリラックス効果が高かったように感じました。

今日のワークショップでより良かったと思ったのは、シートの上に羊毛の小さなラグが敷いてあったこと。自然の中にそのまま身を置くこともそれはそれで良いけれど、ラグがあることで一気にとても柔らかい雰囲気になりました。それによって空気感がとてもHygge*になっていると思いました。

やはり森の中はひんやりしているので、布や動物の毛などのアイテムでぬくもりを出すことで、より安心できる空間をつくり出すことができると感じました。

また、インドの楽器による音楽も、リラックス効果を高めてくれる理由のひとつになっていたように思います。

 

参加者ライター・大村初さんレポートより)

*Hygge(ヒュッゲ):デンマーク語で「居心地がいい空間」や「楽しい時間」を指す言葉。デンマーク文化の大切な価値観のひとつと言われています

 

 

実際に体験してみて、子どものころから自然に囲まれてこういった時間を持つことのポジティブな影響を実感することができました。

 

【市内キャンパス訪問】ある環境を生かすクリエイティビティ

この日の夕方はシャルロッテンルンドを離れ、よりコペンハーゲン市街地に近いところにあるAmagerキャンパスを訪れました。

電車や地下鉄を乗り継ぎ、駅から住宅が並ぶ通りを歩く私たち。

案内をしてくださった美奈子さんが「こちらです」と示してくださるまで気が付かなったほど、住宅地に溶け込んでいるのがボンサイAmagerキャンパスです。

 

ウィンドウには、まるでおもちゃ屋さんかと見間違うようなかわいらしい人形のディスプレイが!

 

この場所は、実際にもともとお店だったのだとか。

その後幼稚園を経営されていた方が、引退を機にこの場所で幼稚園を続けてくれる人を探しており、名乗りをあげたリッケさんが現在ボンサイの園のひとつとして運営しているのだそうです。

ここは保育園部のみで、現在は16人ほどの子どもたちと4~5人の保育士、ペダゴーという小さな規模で過ごされています。

まるで一軒家のようなアットホームの雰囲気が特長で、参加者の皆さんも思わずリラックス。

 

市街地にあるため、どうしても森や自然に触れる機会が限られてしまいますが、そのなかでもなるべく多くその機会をつくる工夫として、室内にも自然のものが飾られていたり、中庭にある公園を活用したりされている点が印象的でした。

 

また、子どもたちの身体的な成長を促すために、入口にある階段は自分たちで昇り降りさせる、子どもたちが集中できる環境を作るために、部屋の中でも場所の区切りを意識したり、保護者が中に入らなくてもコミュニケーションできるようにしたりするなど、教育的観点からの工夫をたくさんご紹介いただきました。

なかなか急な階段で、大人の私たちも少しドキドキ。抱っこはしませんが、必ず大人が下から見守っているそうです。

 

 

ラグやマット、机などで、スペースを分ける工夫がされています。

 

 

実はこの2日間を通じて、ボンサイのシャルロッテンルンドキャンパスのように、森や海に囲まれたいわば「恵まれた環境」がないと自然教育をするのは難しいのかも…と思っていた部分が、私にはありました。

日本ではなかなか自然が身近になかったり、環境の制限があったりするケースをお伺いすることも多く、これは環境が違いすぎるなぁというのが正直な感想でした。

しかしAmagerキャンパスの訪問を通じて、それぞれの場所が持っている特徴を踏まえて、どんな工夫ができるかをクリエイティブに考えてみる、そんな視点をもらうことができたように思います。

 


 

3日目はボンサイでの研修最終日。

3日間どっぷりとボンサイの理念を体験した皆さんの様子をお届けします!

 

 

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Photo by Masato Sezawa

Report by Mai Kikuchi