夫婦で日々家事や育児をシェアしているレーナさん。共働き夫婦にとって悩ましい子どもの長期休暇は、どのように乗り切っているのでしょうか?
興味をもったら、学び直して挑戦。暮らしに合わせて働き方を変える、双子のママ(1)の続きです。
夫と協力し、ジグソーパズルを組み合わせるように働く
— かなり平等に分担している印象です。子どもの夏休みなどは、どのように対応するのですか?
私は40歳を超えているため、年に6週間休暇を取得する権利があります。さらに、私の職場では休暇手当をもらう(スウェーデンでは一般的)代わりに、6日間休暇を延長できる制度があります。私はその制度を使い、6週間+αをほとんど夏に消化しました。
最初に3週間まとめて休み、その後は週1日出勤。出勤日には、子どもが安心できるよう夫が家で仕事をしました。
スウェーデンには、自治体が提供する”fritids”というサービスがあります。これは6歳から12歳までの子どもが放課後に通える場所(学校や近辺にある)で、月額制になっています。
子どもの休暇に合わせて休みをとれない仕事をしていた時は、このサービスを利用していました。
日々、夫婦でお互いの仕事の状況を見ながら、リソースと働き方を組み合わせて、子どもと過ごす時間を確保しています。ジグソーパズルのようなものです。パズルのピースは家庭によって異なりますが、どの家庭もそれぞれの働き方をジグソーパズルのように組み合わせて、子どもと過ごす時間を確保しているんです。
↑とても仲良しのレーナさん一家。住んでいる村の夏至祭にて。
興味のままに学び、働き、学び直して道を創ってきた
— ところで、レーナさんは、どのような経緯で現在のお仕事につかれたのですか?
今の仕事は3つ目の仕事で、若い時にはアルバイトもしていました。実践と理論の両方を試すのが好きだし、勉学中にも収入を得ていたかったので、いつも勉強と仕事をしている状態にしてきました。こうすることで、自身の成長を感じられ、より良いパフォーマンスも出せると感じています。
学生時代は、地域の新聞社で若者向けコラムを書いたりレストランで働いたりしていました。夏に旅行するための資金稼ぎです。当時(1980年代)、大学入学前に男の子は兵役、女の子は海外のオペア(海外家庭にホームステイし、有給で子どもの面倒を見るプログラム)に参加するのが人気でした。私もオペアに参加し、アメリカでベビーシッターとして働きました。
↑レーナさんの学生時代。アルバイトで貯めたお金は全て旅行に使っていた。
帰国後はジャーナリストになりたいと思い、大学のジャーナリストのプログラムに応募。しかし、本当にトップの学生しか入ることはできず、プログラムに参加することができませんでした。
一学期間だけ個人的にジャーナリズムを学び、その後はストックホルム大学の人文科学プログラムを専攻しました。この分野を学べば、別のルートでジャーナリズムに関われるのではないか、と思ったのです。語学と社会文化人類学を学びました。
大学での3年間の間には、高齢者施設で障害のある方の個人的なアシスタントをしたり、レストラン、ツアーリーダーとして働きました。
その後、ツアーリーダーとして働くのが面白くなってしまい、大学を離れて、ツアーオペレーターとして働くことにしました。
↑旅行ガイドのサマーコースを取得していた頃のレーナさん。
— とても思い切った決断ですね。そのまま働き続けたのでしょうか?
数年後、会社の業績が大きく落ち込み、会社を離れることに。ツーリズムにもっと違うレベルで関わるためには、大学で学位を取った方がいいと感じました。
そこで、(ストックホルム西部約60kmの)メーラダーレン大学でインターナショナル・マーケティング、(スウェーデン中部都市の)ダーラナ大学でツーリズムのコースをとることにしたんです。
プログラム終了後は、ストックホルムのインフォメーションサービスと観光案内所で働くことになりました。自転車に乗って街をまわり、旅行客の手伝いをするのが仕事でした。
その後、ストックホルムのツーリズムの発展を手がけるプロジェクトマネージャーへと昇進しました。
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興味のままに学び、働き、また学び直しては仕事につなげてきたレーナさん。その後、どのようなきっかけでストックホルムを離れ、ダーラナ地方での生活を始めたのでしょうか?
興味をもったら、学び直して挑戦。暮らしに合わせて働き方を変える、双子のママ(3)に続く
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