興味をもったら、学び直して挑戦。暮らしに合わせて働き方を変える、双子のママ(3)

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アルバイト経験からツーリズムに興味を持ち、大学で学び直し、ストックホルムのツーリズムの発展を担うマネージャーにまでなったレーナさん。ストックホルムを離れ、ダーラナ地方の自治体で働くことになったきっかけを伺いました。

興味をもったら、学び直して挑戦。暮らしに合わせて働き方を変える、双子のママ(2)の続きです。

親の近くで過ごすため、生活拠点を変える

— その後、ダーラナ地方へ拠点をうつされたのはなぜですか?

両親がダーラナ地方出身なのですが、数年前母が癌になりました。その後回復したのですが、家族の近くに住みたいと思い、引越すことにしました
ストックホルムも仕事も好きでしたが、新たな地で仕事と購入する家を探しそうと思ったのです。

ダーラナ地方のシリヤン湖の周辺が気に入り、家を探したところ、すぐに気に入った家が見つかりました。一年以内に新しい仕事も見つけることができ、引っ越すことにしました。

私の新しい仕事は、レクサンド市役所での行政運営とインフォメーションオフィスのマネージャーでした。インフォメーションに興味があったのと、初めてのマネージャー職だったので、成長できると思いました。夫はレクサンドから45分程離れた町のIT企業に勤めることになりました。people4-1

↑スウェーデン人の心の故郷といわれるダーラナ地方

4年後、双子が産まれ、育休を取得しました。そのままのポジションにいることもできましたが、復職後すぐに、マネージャー職と母親業の両立が重荷すぎると感じるようになりました。両立している女性は多くいますが、私はとてもストレスに感じ、病気になりそうでした。

幸いにも職場には様々な仕事のチャンスがあり、上司の理解もありました。パートタイムの国際コーディネーターという形で、レクサンド市役所で働き続けることができたのです。

今は、本当に夢のような仕事を見つけたと思っています。これでに受けてきた教育と培ってきたスキルを活かすことができていますし、母親でありながら仕事で挑戦し続けられています。

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イメージ (Cecilia Larsson Lantz/imagebank.sweden.se)

仕事量を減らすのと同時に、三度目の大学に通うことにしました。(レクサンドから北部約100kmの)ミットゥ大学で、3年間の公衆衛生のプログラムを受講しました。一時はストレスのため病気になりそうでしたが、健康促進について学んでみたらと周りの人々が勧めてくれたのです。
パートタイムで働きながら、パートタイムで勉強をする生活が始まりました。

働きながら勉強できたのは、プログラムが遠隔授業を提供していたからです。大学へ行くのは年に数回のみで、残りはオンライン授業でした。
プログラムを終えた頃、ちょうどレクサンド市役所の公衆衛生計画の担当者が転職。手を挙げて、その仕事につくことができました。

そういうわけで、現在、国際コーディネーターと公衆衛生計画の二つの仕事に携わっているのです。

無料の教育制度をどう活用するかは、一人一人しだい

— とても柔軟なキャリアの積み方に驚きました。レーナさんの人生にも大きく関わっているスウェーデンの教育について、どのように思われますか?

スウェーデンの教育の質は良いと思います。でもそれを最大限に活用するのは、一人一人しだいでもある、と思います
改善点を挙げるとしたら、理論的な部分と実践的なインターンシップを組み合わせられると、もっと良い教育になるかもしれませんね

とても素晴らしい可能性だと思うのは、大学教育が無料であること、必要に応じて学生向けの助成金やローンが準備されていること、どんどん遠隔授業が可能になってきていることですおかげで、年齢に関わらず多くの人が学ぶことができます。年齢の高い学生に対して、社会はポジティブにとらえていると思います。

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↑「夢のような仕事を見つけた」と話すレーナさん。(朝のフィーカの時間、レクサンド市役所のカフェにて)

現在のライフスタイルには、とても満足しています。田舎で子育てをしながら、面白くてお給料も良い仕事につけているのですから。

多くの女性がフルタイムで働きながら、同時に親としても素晴らしい役割をこなしていると思います。祖父母や、保育園のサポートを得ている人もいます。
でも、私は子どもたちと過ごす十分な時間やエネルギーがないと感じ、フルタイムで働くことはできませんでした。ですから、パートタイムで長く働くチャンスがあったことに本当に感謝しています。

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↑レーナさんの大事な家族。4日間の自転車旅行から帰ってきたお父さんを迎える。

子どもたちはもうすぐティーネージャーになり、独立していくでしょう。でも、可能ならば、私はこのまま75%の仕事量で働きたいと思っています。年老いた両親の面倒を見たいですし、家や庭の手入れ、それから個人的なプロジェクトも進めて行きたいんです。公衆衛生の修士プログラムに通うかもしれませんしね。

パートタイムで働くということは、貯金や将来の年金が少なくなることを意味します。でも、より大きな自由とストレスの少ない生活を選んだ結果ですから、準備はできています。その選択肢があり続けることについて、とてもありがたく幸運だと感じています。

 

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自分の興味や家族と過ごす時間を大切にしながら、働き方を模索していくレーナさん。金銭的・物理的な制約の少ないスウェーデンの教育制度と、柔軟な職場環境がその行動を後押ししていました。
スウェーデンの女性はフルタイムで働き続けているイメージがあったので、パートタイムで働いたり、同時に大学で学んだりという働き方は新鮮でした。これこそが、レーナさんの選んだ「自分自身の道」なのですね。
今後は個人的なプロジェクトも考えているということで、どんな人生を歩まれるのかとても楽しみです。レーナさん、本当にありがとうございました!

 

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